中高年者の膝痛に対する治療法

区民公開講座 平成21年11月28日

田尻 健

 中高年者の膝痛の大部分は、変形性膝関節症によるものである。軽症のものまで入れると700万人もの患者さんがいると言われている。この病気は、加齢による長年の膝の酷使や筋肉の衰えのために関節の軟骨が磨耗、損傷して発症するものである。五十歳頃から起こり始め、年齢を重ねるとともに患者数が増え、男性より女性に多い傾向を示す。O脚の人、肥満の人に頻度が高く、椅子から立ち上がる時、階段の昇降などで膝痛が起こり、次第に関節の可動域制限を生じ、関節水腫(関節に水がたまる)を引き起こす。

治療法
(1) 基礎療法
   減量、膝の周囲の筋肉を強くすること
(2) 薬
   消炎鎮痛剤、湿布、塗り薬
(3) 関節注射
   ヒアルロン酸
(4) リハビリテーション
   温熱療法、体操療法
(5) 装具療法
   サポーター、足底板
(6) 手術
   人工関節等

これらの治療法の中でも体操療法が特に大切で、膝周囲の筋肉を強くする方法を具体的に説明した。
 日常生活の注意点
 膝に負担をかけない階段昇降の方法、畳の生活での注意点等を説明した。

 参加していただいた方からの活発な質問があった。ヒアルロン酸注射の効果、サプリメントに関すること、サポーター等装具に関することが多かった。今回は参加者が多く大変活気があり、良かったと思う。